閑静なリバーサイドに佇む大使館の街・漢南洞(ハンナムドン)
 吉村剛史(トム・ハングル)
 2018/05/15 改:2022/09/16 

ソウル・梨泰院のメインストリートから坂を下り、漢江へと向かう道。その周辺を漢南洞(한남동、ハンナムドン)といいます。「漢江(한강)」を目の前にし、背後には山頂にNソウルタワーがそびえる「南山(남산)」があることから、このような地名がついています。


[梨泰院から漢南洞方面への坂]

漢南洞には各国の大使館・公邸が多く集まっており、大使館通り・読書堂通りのほか、大通りである漢南大路沿いに集中。路地に入れば閑静な住宅街でもあり、特に漢南ザ・ヒルは高級住宅街で、セレブたちが暮らします。漢南洞のエリア情報

防弾少年団(BTS)の宿舎もある高級住宅街~漢南ザ・ヒル

漢南大路沿いの丘には漢南ザ・ヒルという低層の高級マンションがあります。最近では世界的なヒップホップグループ、防弾少年団(BTS)の宿舎がこの場所に移ったことから注目を集めています。


[漢南ザ・ヒルの入口]

住居費は当然ながら高額。トップクラスの芸能人や、財閥などのセレブたちが暮らす場所。入口にはゲートが設けられており、親切そうな守衛さんもいて、セキュリティーもしっかりしています。

※BTSの宿舎についてもう少し知りたい方は以下の記事をご覧ください。

防弾少年団(BTS)の宿舎~漢南洞(ハンナムドン)の「ハンナム・ザ・ヒル」

漢南洞のアクセス~地下鉄6号線なら漢江鎮駅、京義中央線なら漢南駅から

漢南洞へは梨泰院エリアから南下するか、漢南駅から歩くかのどちらか。旅のスタイルによっても異なりますが、多くの人はグルメやカフェを目当てに訪れるのではないでしょうか?


漢南洞の地図

梨泰院エリアから続く大使館通り(대사관길、テサグァンギル)。ここには食堂というよりもレストランが集まっていますし、近年は読書堂通り(독서당길、トクソダンギル)と、その裏通りにハイソなカフェが集まっており、漢南洞は「落ちついたオトナの街」という印象です。

大使館通り脇の斜面の北側は大使館が多く、南側は住宅街になっており、その坂を下りきったあたりが漢南五差路。


[漢南五差路]

漢南五差路から大使館通りに入る前のすぐ隣の路地(大使館路34ギル)。このあたりにはスーパーや食堂、飲食店が林立しており、漢南洞の中心街のようにも思えます。

漢南洞(한남동、ハンナムドン)のグルメ

ここでは漢南洞のグルメについてお伝えしたいと思います。

韓方トンタックイ

その中心街では夜になるとお店が始まりますが、特に有名なお店が、「韓方トンタックイ(한방통닭구이)」という店。「トンタッ(통닭)」は鶏の丸焼きのことを言いますが、このお店のトンタッには、もち米のほか、ナツメ、ニンニクといった韓方素材が入っています。


[クヌギ(ナラ)の木で焼く「韓方トンタックイ」の看板]

外では鶏の丸焼きが焼かれているのですが、店内に入ると芸能人、著名人のサインがたくさん。外観は漢南洞の地元の店、という雰囲気。


[韓方トンタックイ 18,000ウォン]

お値段も18,000ウォンというお手頃価格。ビールとともにフライドチキンを味わうことを「チメッ(치맥)」と言ったりしますが、ここではビールとトンタッでも「チメク」を楽しめます。

韓方トンタックイ(한방통닭구이)
ソウル特別市龍山区大使館路34ギル
無休 17:30~26:00、 17:00~26:00
詳細:Visit Korea Net(韓国語)

トンア冷麺

漢南洞(한남동、ハンナムドン)のなかでも大使館通りの坂に位置する人気の冷麺専門店で、ソウル市内にもいくつか店舗があります。梨泰院という異国的な町のそばに赤と青の外観が際立つお店。

長年冷麺だけで勝負する専門店で、刺激的かつ味わい深い辛さが評判。セルフサービスで熱々のユクス(牛を煮込んだスープ)が提供され、寒いときでも温かくいただけるのもよいところ。冷麺は大9000ウォン、小7,000ウォン。サイドメニューはマンドゥ(水餃子)のみ。

次に漢南洞のなかでも、大人のレストランやカフェ、ギャラリーが集まる読書洞通りをご紹介します。

読書堂通りとD MUSEUM(ディーミュージアム)

「読書堂通り」という名前を聞くと、なにか知的な場所のようにも思えます。朝鮮時代に優秀な若い文官を学ばせるために作った施設が「読書堂」といい、読書堂通りはその名前に由来します。読書堂通り


[読書堂通り]

この読書堂通りも漢南五差路からは緩やかな上り坂になっており、大使館通りと同様、各国の大使館や公邸が並んでいます。そんなこともあり、メインストリートを歩いていると、やはり外国人の姿もよく見かけます(私たちも外国人ではありますが)。

●D MUSEUM(ディーミュージアム)<※D MUSEUMはソウルの森・聖水洞に移転しました>
そして最近観光客に人気を集めている場所が、「D MUSEUM(ディーミュージアム)」。「RePlace漢南(リプレイス・ハンナム)」という複合施設内にある現代美術館で、ユニークな展示が面白いと評判!ミュージアム内で写真を撮ってもOKで、インスタ映えスポットとして若い女性を中心に人気。


[D MUSEUMの外観]

中堅財閥の財団が運営する大林(デリム、대림)美術館。その2つ目の美術館がここです。外観もユニークな装飾がされていて、アート感でいっぱいの雰囲気。なかに入るだけでワクワクしそうです。

値段は9,000ウォンとお手頃なので、気軽に美術鑑賞が楽しめるスポット。建物のなかに入るだけで現代的な雰囲気に浸れます。館内はユニークな写真や絵画が展示され、アートとともに自撮りや友達とのフォトを愉しんでみたり。

D MUSEUM
10:00~18:00(火~日)、10:00~20:00(金・土)
公式ページ:D MUSEUM(韓国語)

※D

●RePlace漢南ではグルメも
DMUSEUMもある「RePlace漢南」内では、グルメを味わうにも最適!梨泰院エリアの流れを受けてか、ここは外国料理のお店がほとんど。タイ料理、フレンチ、中華のスタイリッシュなお店が入店しています。

下の写真は、梨泰院エリアで有名なMIDDUX PIZZA(매덕스 피자、ミドックスビザ)。ここでは美味しいピザをピース単位で注文することができます。写真はサラミがたっぷりのペパロニ(4,900ウォン)。


[ペパロニ 4,900ウォン]

ほどよく濃厚なチーズと、ジューシーなサラミ、そして1ピースながらもボリュームが感じられるサイズで、おなかも満たされます。「RePlace漢南」にやってくれば、日常の生活から離れて優雅なひとときを送れることでしょう。

●読書堂通りの裏には、ハイソなカフェが多数
読書堂通りの路地にあたる道には、ハイソなカフェが多数(漢南大路18ギル、20ギル)。建物のなかでは、ときどきギャラリーが開かれたりもします。

元はといえば近所に住んでいる人たちがふらりとやってきて、週末を過ごす場所だったようですが、ここ数年は若い世代が余暇を過ごしたりデートで訪れたりするようです。


[ハイソなカフェやレストランが多い通り]

レンガ造りでひときわ目立つ外観の「Second Kitchen(세컨드 키친)」というレストランは、大人の雰囲気を感じさせるお店。ワインが味わえる高級感あるレストラン。ちょっと贅沢なランチやディナーに良いかも。

Second Kitchen(세컨드 키친)
龍山区漢南大路18ギル22
公式FBページ(地図の位置は要確認)

坂になっている大使館通り

冒頭でも写真を載せたように梨泰院のメインストリートから、「漢南五差路」まで下りてくる道。ここが大使館通りです。通りの入口となる急坂には漢南洞の住民センターがあります。大使館通り

静かな並木道を下りていくのですが、その道の脇の路地には大使館のほか、重厚な邸宅が立ち並んでいるようです。その中間あたりからはお店が多くなってきて、ここにもやはり各国料理のレストランが多くあります。

やはり各国の大使館が集まっている街ですから、洗練されたお店が集まっています。庶民的な雰囲気で食事をしたり、お酒を飲んだりしたければ、先にご紹介した漢南五差路に近い通りに出るのがよいでしょう。
大使館通り

「ソウルの休日」は、漢南洞で過ごそう

Nソウルタワーのある南山を背後に漢江を臨む、ソウル・漢南洞(ハンナムドン)。エスニックな雰囲気が漂う梨泰院エリアに隣接し、各国の大使館や公邸が軒を連ねるこの街にも異国的な要素が流れこんでいます。

高級なお店が多く落ち着いた「ソウルの休日」を楽しむことができる街。漢南洞で大人の雰囲気をぜひ味わってみてください。

※漢南洞から北西方向へ大使館通りを上がっていくと梨泰院エリア。より異国情緒ある雰囲気を感じたい方はそちらへ。

エスニックな梨泰院の観光ではおしゃれストリートを攻略しよう!




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トム・ハングルの韓国旅行ひとこと
漢南洞は大使館が多くハイソな雰囲気もある一方、テレビ東京系「孤独のグルメ」で話題になった焼肉店もあるなど、地元ローカルなお店もちらほら見られます。記事で紹介した「韓方トンタククイ」もそのひとつです。

漢江鎮駅・梨泰院駅方面から歩いてもよいですが、京義中央線の漢南(ハンナム)駅を基点にするのも手。この路線は往十里のほか、龍山、弘大入口方面へもアクセスができるので、次の目的地への移動も便利です。(2018/6/27追記)



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